7月15日(土)に常磐大学にて第2回講義を実施しました。30度を超える暑い夏日でしたが、講義時間の大分前からたくさんの学生たちが登校してくれました。

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さて、第2回講義は国立環境研究所の江守正多先生による「地球温暖化と私たちの未来」です。環境問題について学びました。

江守先生の講義は「2050年の天気予報」から開始。8月の東京の最高気温が”40.8度”で、真夏日が50日連続。12月のクリスマス頃に紅葉が始まる、という衝撃的な天気予報の動画がオープニングでした。

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その場にいた全員が悲鳴に近い「え~」「うそ~」の声を出しており、このまま温暖化が進むと映像と同じ世界が約30年後にやってきてしまうことを伝えてくれました。

その後は、何故このような温暖化となっているのかの説明です。地球全体の平均気温の推移や環境シミュレーションデータを見ながら、その社会背景として「産業革命後」から始まった化石燃料を使用した現代文明があることや温暖化のメカニズムなどを分かりやすく解説してくれました。

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温暖化の原因がCO₂かどうかを調べるには、地球で実験するのが一番ですが、それはできないため、スーパーコンピューターを使用して、地球と同じ条件でシミュレーションを行っていることやエルニーニョやラニーニャなどの気候用語や、火山が噴火すると気温が低下すること、気温の変動はゆらゆら動きながら上昇していることなどを前半戦では学習。

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休み時間では、毎回恒例となっているサイン攻めと質問ラッシュで、江守先生には申し訳ないですが、休む暇がありませんでした・・・。それほど子どもたちが積極的に学びをしています。

あっという間に休憩が終わり、後半戦となったのですが、テーマは社会全体がどうすれば温暖化を止めることができるのか?について話が移っていきました。温暖化が進むと、実際にどのようなことが起こるのか?また、温暖化を止めるためには世界の国々が協力して温暖化防止をしていかねばならないが、どれくらい大変なことなのか?パリ協定とは何だったのか?などを学習しました。

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その中でも、普段では考えることがない「温暖化問題の不公平性(気候正義)」についてが印象的でした。今まで先進国がたくさんの資源を使い(CO₂を出して)経済発展をしてきたが、その結果地球全体が温暖化となり、発展途上国やCO₂を出してこなかった国が水面上昇により国が無くなったり、農作物が取れなくなったらどう感じるか?などの発問に真剣に考えていました。

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最後のまとめは「石器時代が終わったのは、石が無くなったからではない」というフレーズでした。鉄器や青銅器などが登場したことで新しい文明が誕生したが、それは石が無くなったからではなく、石よりも良いものを発見したからであり、環境問題も石油や石炭よりも安くてCO₂が出ない良いエネルギーを見つけたり発明したりすることで解決をしなければならないということを伝えてくれました。

江守先生からは、「当日学んだことをベースに、親子で何から取り組んでいけばよいのかを、家庭で考えて行動してほしいです」とのメッセージを頂きました。”今”の自分たちの生活だけを考えるのではなく、”将来”の自分や子孫のことを考えての生活が本当に必要になっていると感じた一日でした。江守先生、ありがとうございました!

※次回の第3回講義は10月14日(土)に、智学館中等教育学校にて実施します。お楽しみに♪