10月14日(土)に智学館中等教育学校で「第3回講義」を実施しました。今回の講師は、UCバークレー・グロービス経営大学院の「鈴木琢也先生」による「不可能を可能に変える力」です。

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鈴木先生は「バカヤンでも死ぬ気で勉強すれば世界の名門大学で戦える。」などの作者でもあり、前半講義では、自身の荒れていた時代の写真を出して、簡単な経歴紹介からはじまりました。そしてUCバークレーを含めた大学はどんなところで、どんなことを学ぶことができるのかと続きます。鈴木先生は、大学で学べることの定義として、「考える力」「知らないことを知る」「表現の仕方」の3つ挙げ、それぞれの定義を説明!

例えば、抽象的な「考える力」の例として、「コンビニで売っているもの」を1分間で書き出してから、「コンビニで売っていないもの」を1分間で書き出しをしたのですが、1番多く書けた学生は20を超えていました!身近なものでも「考える」訓練ができ、イメージすることの重要性を理解しました。

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さらに思考する過程で「見えるもの」「見えないもの」、「大きいもの」「小さいもの」などカテゴリー的思考をしながら、イメージをしてから整理することによって、考える力を養うことができると伝えてくれました。

そして最後には「Allegory of the Cave(洞窟の比喩)」の哲学的思考の学びを行いました。常に目に見えている「もの」や「情報」が正しいとは限らず、疑うことも大切であり、疑うためには、知識を持って多面的に見る力が大切であることも伝えてくれました。

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休み時間は、学生たちは鈴木先生にサインを求める行列が・・・。今期は休み時間が、サインを求める時間となっています。休み時間では終わることが出来ずに、講義終了後にも続きました。鈴木先生には休む時間が無くなり申し訳ないのですが、学生たちはうれしそうな表情でした!

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後半戦では、前半戦とは異なり、自身がどのようにして荒れていって、何がきっかけで気づき、最終的にUCバークレーに入学したのかを中心に、今回の講義テーマである「不可能を可能に変えていく力」と移っていきました。(正直、学生よりも保護者の方々の方が講義内容に聞き入っていたと感じました。)

不可能を可能に変えるには学びが必要であり、その学びを続けるためにはすぐには結果が出ないことが多く、結果を出すためには自分のやり方を見なおしたり、上手くいっている人のやり方を学んだりすることが大切なこと。また、その学びを続けていくと、継続的に学ぶモチベーションが低下することがあるので、そのときにどうすればよいのかも話してくれました。

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実際に鈴木先生が大学在学中に勉強をしてもなかなか結果が出ないことがあり、モチベーションが下がったときに「自分は馬鹿で、あいつは頭が良い!」と思いこんでしまったことがあったようです。ただ、その出来ている人たちに話を聞いていると、「頭が良い人間」「天才的な人間」ほど、「私は頭が良くないから、人一倍やらなければいけない」と思って勉強している人間ばかりだった。ということに気づき、再度頑張り続けたとのことでした。

最後は「未来を創るとすると行動が変わる」という言葉で講義が終了。自分の人生を変えるためには、努力をすることは当然ですが、周囲の大人が気づきを与えたり、支援をすることが大切なことであることを学ばせてもらいました。鈴木先生、ありがとうございました!

次回は11月11日(土)に茨城高等学校・中学校にて第4回講義を実施します。JAXA名誉教授・子ども大学水戸顧問「的川泰宣先生」の「宇宙探査の魅力」です。お楽しみに!