2月4日(土)に茨城高等学校・中学校にて、第5回講義を実施しました。
今回の講師は、Harvard College Japan Initiative 代表 ステファン・エマニュエル・フシェ先生による『グローバルを学ぼう!~日本から見る世界と世界から見る日本~』でした。

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前回の長井先生に続き、グローバルについて学びましたが、小中学生にとっては少し難易度が高い講義テーマですが、今後の日本を考えると、できるだけ小さい時期から様々な文化・価値観などを学ぶ必要があるはずです。

講義ですが「私はソフトバンクのお兄さんではありません!」という話から始まり、会場は大爆笑!少し速いテンポの日本語で、自身の半生を説明しながら、教育や地政学など日本の環境と異なることを説明してくれました。ステファン先生の幼少期に過ごしたハイチの場所を知っている生徒は皆無で、”山”や”海”の写真を見て、「おー」「きれー」との大合唱。

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そして転機となった年齢である12歳。ハイチ国内で起こった政変によってアメリカに渡り、高校時代に英語の洗礼を受け、苦労しても逃げださずに学びを続け、その後のハーバード大学への進学と日本への留学、そして現在までの流れを説明。

特にハーバード大学時代の自分で学びに行く国を決め、大学から50万円の大金を渡され、計画を立て、学んで帰ってくるということを17歳の時に学べたという経験は日本人にとっては考えることができない話でした。

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休み時間には生徒たちがステファン先生の周りに集まり、質問ラッシュ!様々な質問をステファン先生にぶつけ、楽しみながら会話をしていました。

小中学時代に様々な価値観を持った人と触れ合うことは、大人になったときの触れ合いとは全く異なりますので、貴重な経験となります。当然ですが、興味を持って動けるのは子どもの強みですね。大人になってもその強みは無くならないでほしいです。

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休み時間が終わると、後半戦は「マインドセット」についての深い学びを開始。

例として、「1+1=?」の問いを出題され、生徒たちは自信満々に「2」と返答。
では、「X+Y=Z」は?と続き、「たくさんある!」と返答。

「X」も「Y」も分からないから「Z」は分からない。ではなく「Z」を決めれば「X」も「Y」も決められる。ということを学んでほしい。という強いメッセージを伝えてくれたのが印象的でしたね。答えがたくさんあることはとても大切で、今後はこのような決められていないものを自ら考え、答えを導き出さなければならないというメッセージを何度も形を変えて話してくれました。

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日本は「一つのものをより向上させたり、システム化すること」が得意で、アメリカは「新しいものを生み出すこと」が得意であるという特徴があり、その根底には教育のシステムがそうなっているということ。そして、どちらが優れているかではなく、両方とも重要であって、両方とも持つべきであるということ。

とても哲学的であり、論理的な学びで、大人が聞いても理解するのが難しかった程ですから、生徒たちは途中から「???」が頭の上に並んでいました・・・。逆に保護者の方々の方が、興味津々と傾聴しており、今後のグローバルの流れに我が子がしっかりと乗れるようにするためには、どうすればよいのか?のヒントがあると思っていたのでしょう。

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大学ですから、難しい内容なのは当然ですが、難しいことも部分理解するだけでも価値はあります。今回の講義のコアな部分は、あと数年すると理解してくれると思います。是非忘れずに、心と頭の真ん中においてくれることを望みます。

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講義の最後には、実行委員のスタッフや中高生のボランティアスタッフに対して、今後のマインドセットについての話をさらに話してくれました。普段聞くことができない話や、思考プロセスなどを聞くことができたと思います。学校では学ぶことができない話でしたし、世界のTOPの思考論を肌で感じることができたのは貴重な経験となったはずです。

子ども大学水戸は中2生までが生徒として受講をすることが可能ですが、昨年度まで参加していた生徒たちが、今年度はボランティアスタッフとして運営に参加してくれています。今年度で卒業する生徒たちも来年度からスタッフとして参加してくれることを楽しみにしております!

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次回は3月11日(土)。第3期の最終である第6回講義です。テーマは国立天文台・JAXA /宇宙航空研究開発機構・宮川 広先生による「世界一過酷 なアタカマ砂漠でのアルマ望遠鏡建設の秘話」です。

講義終了後には修了式を実施します。いつもと終了時間が異なりますので、ご注意くださいね!