11月11日(土)に「第4回講義」を茨城高等学校・中学校の大ホールにて実施しました。今回の講義は、本学の顧問であるJAXA名誉教授・的川泰宣先生による「日本の今に生きること」です。※「宇宙探査の魅力」からテーマを変更させて頂きました。

前半の講義では、的川先生の幼少期の思い出から開始!
的川先生の幼少期は広島県呉市で生まれ育ち、自宅の近くで「戦艦大和」の製作をしているのを見ながら生活をされていたようです。実際、ご自身では記憶がない時期ですが、お母様から見えなくなると大和を見ていた!と言われていたそうですね。

呉市は周囲が自然だらけだったため、幼少期は海の上で船に乗って「釣り」をしていたことが多く、ある日、釣った魚をバケツに入れた際、「何故さっきまで青かった海の水が、バケツにくむと透明になったのか?」を疑問に思ったそうです。親や兄弟に聞いても決して教えてくれず「自分で調べなさい!」と言われ、自分なりの”仮説”を立てることが身についたとのこと。その後、実際にお兄さんと一緒に実験を行い”検証”をした結果、自分の”仮説”通りになったことで大興奮をしたようです。

大切なのは、疑問を持ち、自分で仮説を考え、検証をするという経験を繰り返すことだと伝えてくれました。

また夜になると海釣りをしている時に、夜の為なかなか空に広がる星空を見ると、また様々なことを考えるようになり、今見ている光っている星は、どれだけ離れているのか?どれだけ前の光なのか?を調べていく過程で「宇宙」に興味を持ち、それを調べていくうちに「自分もあの星に飛んでいきたい!」と考えることが多くなり、大学へ進学して専門的に学ぶキャリアを積んでいったようです。

そして大学では、友人の中に的川先生と同様、幼少期に星を見ていた学生が多くいて、話が盛り上がったようですが、同じ星を見ていても、自分は「星に行ってみたい!」と考えたのに対して、他の人は「何で星の色が違うのだろう?」や「もっときれいに見える望遠鏡を作ってみたい!」など、感じ方が異なっていることが面白いと感じ、そこから、人間には「心の色」があると思ったとのこと。

特に保護者の方に響いた言葉だと思いますが、子どもには様々な個性があり、それが悩みとなるでしょうが、個性だと考えてあげて、強みを伸ばしてあげることが大切であるとメッセージを受け取りました。

後半戦では宇宙に関する講義へと続き、みちびきの話やJAXAでの話を交えながら、メインは「はやぶさ」の話となりました。予算の限りがあるなる中で、どうすれば実現できるかを全員で知恵を出して考えて実行することや、実際にトラブルが起きても、あきらめずに粘り強く考え続けたことで成功したことを、ユニークな裏話を含めて話してくれました。

そして終盤では、宇宙関連の仕事も含め、社会に出ると必要になるのが「個」の力以上に、「チーム」の力が大切であることを強調して伝えてくれました。特に宇宙関連の仕事では、プロジェクトを成功させるために、前半戦でもキーワードとしても出ていた「巧の心」「好奇心」「冒険心」が必要であることを教えて頂いたので、宇宙に関係する仕事を夢に持っている学生はそれらの力を身につけるために、幼少期を過ごしてほしいですね。

抽象的な概念の話があり、難しい単元もありましたが、宇宙に対する「夢」を持つことが出来た講義でした。最後には、今回の講義を聴いている「子ども大学水戸」の学生は、的川先生と一緒に働くことはできないでしょうが、本日話をされたマインドセットを持って、夢を叶えてほしいと話を進めてくれました。本日の話を聞いた学生が、JAXAで働いて、新しい発見ができることを期待したいですね!的川先生、ありがとうございました。

次回の講義は「年末特別講座」となります。
株式会社ブックエース様とのコラボレーション企画第2弾!講師は京都大学名誉教授・阿辻哲次による「漢字と私たちの暮らし」です。お楽しみに♪