【第5期第3回講義特別編!】
「新聞ができるまで」
読売新聞 水戸支局長 川辺隆司先生
10月13日の第5期 第3回講義にてご登壇いただいた、読売新聞 水戸支局長 川辺隆司先生より、皆さんの質問に対する回答が届きました!
感想を含めいろいろな質問をいただいた中、余りにも数が多いため、皆さんからの質問が多く、先生だからこそお答えいただける専門的な質問にまとめてお願いをしています。
川辺先生の追加の特別講義、ぜひ読んで学んでみてください!
【読売新聞 水戸支局長 川辺隆司先生がみんなの質問に答えます!】
●質問1.新聞は、毎日どれぐらいの量を印刷発行するのでしょうか?
読売新聞の朝刊は全国で876万部(2017年11月現在)発行されています。
●質問2.フェイクニュースを見破った時、注意喚起を促すため広めるのは危険でしょうか?
きちんとした根拠をもって「フェイクニュース」と断定できるときは、SNSなどで「フェイク」だと指摘するのは有効だと思います。正しい根拠を示せれば、その情報も拡散し、大手メディアも取り上げるのではないでしょうか。ただ、犯罪の目撃情報などをネットで実名を出して公表するのは危険です。情報の種類によって、対応も変わるので、大人に相談するようにしてください。
●質問3.新聞を制作することに携わる喜びにはどんなものがありますか?
記事を書いて、それが世の中の役に立ったと実感できるときはうれしいです。
●質問4.今までで「一番載せてよかった」と思った記事はどんなものでしょうか?
たとえば、盲導犬を連れた視覚障害者がホテルに宿泊を拒否されたことを伝えたニュースが記憶に残っています。盲導犬はきちんと訓練されているのに、ホテル側は、他のお客さんが怖がったり、フンをしたりするのではないかと心配したようです。このような状況は、今でも解消しきれてはいませんが、記事は盲導犬に対する社会の理解を広げるのに役に立ったのではないかと思っています。
●質問5.大きな問題などは様々な新聞社が記事を作成すると思いますが、他の社とどのように区別をつけているのですか?
少しでも詳しく、新しい情報を記事に盛り込もうと努力はしますが、力が及ばず、他社と同じような報道しかできないこともあります。他社にはない大切な視点の記事を書ければ成功ですが、逆に他社にいい記事を書かれてしまうこともあり、悔しい思いをすることもあります。
●質問6.当日の新聞に載せきれず割愛されてしまった記事はどうなるのでしょうか?
大切なニュースは他の記事を削ってでも載せますが、話題ものなど、緊急性の低い記事は翌日回しになったり、残念ながらボツになったりします。
●質問7.新聞を印刷する際に使用する紙やインクは何か特別なものなのでしょうか?
読売新聞のホームページ(https://info.yomiuri.co.jp/social/environment/index.html)に、環境に優しいインクの話が出ていました。「印刷工場での取り組み」のところです。廃液をなくす新技術だそうです。
●質問8.何故、新聞は本のように綴らずに重ねて折ってまとめているのでしょうか?
新聞を本のようにまとめると、時間がかかるからだと思います。新聞は素早くたくさん印刷して、多くの読者に届けることが使命なので、なるべく手間のかからない方法を選んでいるのだと思います。
●質問9.先生が1番大切にしている仕事をする中での心構えについて教えてください。
新聞は正確性が命です。読者に誤解なく、わかりやすく伝えるにはどういう表現がいいか、一生懸命考えることが大切だと思っています。
川辺先生、ありがとうございました!