2月9日(土)に、茨城高等学校・中学校にて第5回講義を実施しました。大雪予報の中での開催となりましたが、降雪はありましたが、積雪まではいかないレベルの雪の為、無事に開催出来て安心しました!
今回の講師は、株式会社ユーグレナの阿閉耕平先生による、「ミドリムシで地球を救う!? ~地球の問題を一緒に考えてみよう~」です。株式会社ユーグレナは、藻の一種であるミドリムシ(学名:ユーグレナ)を、主に活用し食品や化粧品の販売、バイオ燃料の研究等を行っているバイオテクノロジー企業です。阿閉先生は研究者としてミドリムシと向き合われております。
阿閉先生の講義は、世界が直面している社会問題の提起から開始!
現在の世界人口は「75.9億人」で、2050年には96億人になると予測されており、人が増えるとその分だけエネルギーや食糧、住む場所がなくなるなど、たくさんの問題が出てきます。
その問題の”根”になっているのが「地球温暖化」の問題です。その背景には18世紀の「産業革命」があり、「石炭」のエネルギーで様々なモノを動かしはじめ、現在は「石油」「天然ガス」などの化石燃料も加えられた結果、上手く炭素が循環できなくなったとのこと。それでも最初の頃は、炭素循環が上手くいっていた時代がありましたが、産業革命で一気に流れが変わってしまったようです。これらの学習は、第3期の渡邉先生、第4期の江守先生、第5期の五箇先生からの継続学習テーマでもありますね!
また異なる視点で環境問題を考えてみると、1970年では地球上の資源が地球「1個」分で済んだのに、2010年は「1.5個」、2050年になると「3個」が必要となり、このまま二酸化炭素の量が増えれば、地球はどうなるかというと、2100年頃には、平均気温が4.8度上昇し、氷が溶けることで海面が上昇するなど、地球上で困ることが多くなってしまうことが分かりました。
では、どうすれば良いのか??を子ども大学水戸の学生たちと考えてみた結果、
➊エネルギーの消費を抑える「省エネ家電」「EV車・HV車」などを使う
➋効率よくエネルギーを生産し、使う化石燃料の量を減らす
➌二酸化炭素の出ない方法でエネルギーをつくる
など、出てしまう二酸化炭素の活用や二酸化炭素を出来るだけ排出しない方法を考えました。
しかし、日常生活においてどこから出ているのかを考えてみることはとても大切だが、努力で二酸化炭素を減らすことが出来ても、それだけで解決することはできないということが分かりました。
何故なら、日本以外の国でも二酸化炭素を出しているからです。中国・アメリカ(この2か国で世界の排出量の4割以上)・インドなどの国や発展途上国が大量に排出しており、日本だけが減らしても意味がなく、他の国を巻き込んで減少させていかなければ根本的な問題解決にはならないようです。(日本の排出量を減らすことはとても大切なことです)新たな思考や方法を用いることが必要ですね!
その他にも、SDG’s(持続可能な社会)を交えて、ユーグレナの企業ミッションや現在取り組んでいるジェット燃料(飛行機燃料)、出雲社長の起業のきっかけとなった「バングラデシュ」の貧困問題などを学びました。そして、一番盛り上がったのが、実際にユーグレナが作っている「ミドリムシクッキー」が配布され、学生全員で試食をした時です。
最初はビクビクしていた学生もいましたが、ミドリムシを感じることが無く「おいしー!」と言いながら食べていました。(ユーグレナ様、ありがとうございました)
最後の質問では、「ミドリムシ」に関する質問ラッシュ!
ミドリムシは成長が早いことや、酸性の水の中でも生きていくことができるなど、普段では聞くことが出来ない話でした。阿閉先生、ありがとうございました!
次回の講義は、3月9日(土)に実施します。講義内容は、JAXA開発員・杏林大学医学部の山田 深先生による「宇宙環境における命の神秘と医学」です。修了式も行いますので、保護者の方も是非ご参加下さい!