7月13日(土)に常磐大学にて「第2回講義」を実施しました。雨の予報もありましたが、過ごしやすい曇りの天気となり、講義時間の大分前からたくさんの学生たちが登校してくれ、会場は熱気にあふれていました。
今回の講義は、株式会社電通の「クリエーティブディレクター」平石洋介先生と「アートディレクター」中村征士先生による「短いCMができるまでの、長い道のり。」です。
講義は、平石先生の挨拶から始まり、大きな声を出してみよう!ということで、
・平石先生「ファイト~」
・生徒「いっぱぁ~つ」
の掛け声でスタート!
平石先生の講義は「子どもってなんだろう?」「大人って何だろう?」言葉の定義から思考を開始。
年齢なのか?経験なのか?を、ビール会社のCM「大人エレベーター」を見ながら考えました。
法律などで大人の定義はあっても、それは大人と言えるのか?
オオカミに育てられた人間が、成人年齢になった時に人間社会に出てきた場合、その人間は大人と言えるのか?答えは、一人ひとり異なり、正解はないので、考えることが大切であること伝えてくれました。
そして、根源的に何故CMが必要なのか?という話へと移っていきます。
学生たちへの次の質問として「ブランドって何だろう?」と問いかけました。
例として、有名ブランドの「お茶」は飲むけれど、「ありゃ~お茶」というお茶があったとしたら売れるだろうか?有名なペットボトルのラベルを外して、お茶を提供した場合、それを安心して飲んでもらえるのか?
などの問いかけをして、「ブランド」という価値があることを学習。
ブランドがあるから安心して買うことができ、ブランドの手伝いをするのが広告の仕事であり、印象と信用を作っているとのこと。しかし、平石先生は「ブランドを信じすぎてはダメで、最後は自分の価値観が大切である」と話をしたのが印象的です。
そして、いよいよCM作成の話へ!
某炭酸飲料メーカーのラベルって何色??の質問に、全員が「赤」!
世界200か国以上で売られている炭酸水の実物を見せながら、話を進めます。
クライアントからCM作成テーマとして依頼されたのが「10代の年齢層に飲んでもらえるようなCM」だったので、たくさんのアイデアを出しながら、答えを出していったそうです。例に出した企業のブランドイメージは、「赤い・デカイ・明るいアメリカ人!」と平石先生は持っていたようで、その企業イメージを維持しながら、依頼された目的を達成するために出した答えが、赤ではないラベルをたくさん作ること!
ただ、9兆5000億円もある世界的企業のブランドイメージが強い企業の「赤」のイメージを変えてしまうことにもなったり、青のラベルであれば、ライバル企業のイメージになってしまうのでは?とマイナスのイメージも出たようです。が、10代の若い人は、一人ひとりの色を持っている。だからこそ、青・緑・ピンクなどたくさんの色のラベルを作ったようです。
実際のCMを見ながら、そのイメージを確認していき、前半戦の講義が終了!
見たことのあるCMの裏側を知ることができて、大興奮!
後半戦は、ワークショップ型の講義!
4人~6人のチームに分かれ、中村先生が指定したテーマをグループごとに思考して、解決するワークショップです。日本人は、絶対解の無いモノに対する思考をする訓練が非常に少ないので、幼少期からの思考力をつけることはとても大切だと考えています。
ワークショップテーマは・・・、
Q:東京オリンピックで外国人観光客に納豆を”めっちゃ”食べてもらいたい!そのアイデアを考えてください。
また、追加条件として、「チームで1つのアイデア」「コンビニから納豆が無くなってNEWSになるくらいのアイデアであること」「理由も述べること」「チーム名をつけること」も追加され、それぞれのチームが自分たちの意見を出しながら、答えの無い解答を出していきます。中村先生が、茨城に関係のあるテーマにしてくれました。
時間が経過した後、全てのチームが答えを出して提出。
「最優秀賞」を平石先生に選んでもらいましたが、その作品は・・・、
A:外国人の忍者が納豆売り場を狙いに行く。動画を作って流す、最後に外人忍者が「ナットウオイシイ」という。
理由:外国人は忍者が好きだから。忍者を使って、興味を持たせるため。
この回答を選んだ理由は「納豆自体ではなく、納豆じゃ無いモノを使って表現する」ことができていた、からだそうです。
どんないいアイデアでも、伝わらなかったら価値がなく、たくさんアイデアがあっても、決断するのが大事であること。そして、アイデアとしては反対を考えることも大切で、納豆の「ねばねば ⇔ パサパサ」のように逆の視点から考えることも大切であることを学びました。
最後は、質疑応答を行いましたが、質問ラッシュ!
平石先生も中村先生も、一つひとつ丁寧に答えてくれました。今回の講義を聴いた学生から、将来コピーライターやデザイナーが出てくれると嬉しいですね。
終了後に、平石先生と中村先生のサインを求めて、長蛇の列が。
中村先生は、似顔絵を即興で書いてくれました。1分以内で全て書いてくれましたが、特徴をつかんでいる似顔絵で学生たちも満足していました。平石先生・中村先生、ありがとうございました!
10月12日(土)に智学館中等教育学校にて、「トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社」代表取締役・中西敦士先生による「10分後にうんこが出ます ~排泄予知デバイス開発物語」です。お楽しみに♪