【第6期第2回講義特別編!】
「短いCMができるまでの、長い道のり。」
株式会社電通 
クリエーティブディレクター 平石洋介先生
アートディレクター 中村征士先生

大変お待たせいたしました!2019年7月13日に行われた第2回講義にご登壇いただいた、株式会社電通の平石先生と中村先生より、皆さんの質問に対する回答が届きました!
感想を含めいろいろな質問をいただいた中、余りにも数が多いため、皆さんからの質問が多く、先生だからこそお答えいただける専門的な質問にまとめてお願いをしています。
平石先生と中村先生の追加の特別講義、ぜひ読んで学んでみてください!


【(株)電通 平石先生と中村先生がみんなの質問に答えます!】

★質問1.これまでにCMやポスター等をどれくらいの数、作成されてきたのでしょうか?

●平石先生
数えたことないのですが、おそらくCMは200本くらい、ポスターもそれくらいだと思います。

●中村先生
作品アイテム点数で言えば、300〜500くらいでしょうか。例えばミスタードーナツの店内の装飾をすると50点以上はいっぺんに作ります。


★質問2.これまで作成されてきたCM、ポスター等で最も気に入っているものは何でしょうか?また、最もワクワクしたものは何でしょうか?

●平石先生
気に入ってるCMはいっぱいあって1つに決められないです。アフリカの子どもを撮ったCMはワクワクしました。アフリカに行くのが初めてだったのと、 現地で発見したことをそのままCMにしたので。

●中村先生
仕事を始めて2年目の時に、自分の好きなことを好きなようにできるキャンペーンがありました。大学の地下にロボットの秘密基地があって、そこで巨大ロボットをつくっている、そんな小さい頃の夢みたいなポスターをつくりました。そこから自分の好きなことは、大変だとしても一生懸命やり抜けると気づきました。


★質問3.同じ時期に、いくつものCM、ポスター作成を行なっているのでしょうか?

●平石先生
同じ時期に違うCMをつくってることはよくあります。

●中村先生
今は少ないですが、昔は5〜6個の仕事が同時に動いていました。そんな時は、わけわからなくなりますね。。。


★質問4.これまでCM、ポスターを作成してきて、「ああ、CM(ポスター)をつくってきてよかったな」と思った出来事は何でしたか?

●平石先生
どんな田舎にいっても、つくったCMが知られているので、知らない人でもすぐに仲良くなれる。 あとは、自分に向いている仕事につけて良かったなあと思います。

●中村先生
仕事に関わってくれた人全員がハッピーになっている(ように見えた)仕事です。


★質問5.CM、ポスターを作成する工程の中で、最も気をつけたり、時間をかける工程はどこでしょうか?

●平石先生
もっとも気をつけるのは最初のアイデアを考えてる時です。時間をかけるのは編集する時です。

●中村先生
見る人をどんな気持ちにさせたいのか?を考えます。怖い?びっくり?キレイ?モヤモヤ? ポスターを見て気持ちが動いて、少しの間立ち止まってくれるような絵作りを大切にします。


★質問6.アイディアが行き詰まった際には、どのようなところに行ったり、どのようなことをしたりすると、いいアイデアが生まれるのでしょうか?

●平石先生
どこでもいいので散歩する。いろんな他のCMを見て、自分ならこうするなあと考える。

●中村先生
天井が高い方がアイデアが出やすい、という研究結果があると本で読みました。僕もそれは合っていると思います。あと、川です。どういうことかというと、目の前を何かが流れている状態が好きです。別に川でなくても、走っている車の中とか、高速道路を見下ろしているとかでもいいんです。自分は止まっている、目の前の状況が変わっていく。そんな状態の時は集中できますね。あと、寝不足はダメです。


★質問7.CM、ポスター作成をしていく中で、多くの人々と関わっていくということでしたが、多くの方とコミュニケーションをしていく上で大切にされていることはありますでしょうか?

●平石先生
ワクワクする雰囲気にすること。

●中村先生
山の頂上をハッキリさせる、ということを大切にしています。多くの人が別の役割を持って仕事は進みます。もしも頂上が見えていれば、別の役割を持っている人が判断をしやすいからです。もしも僕が思っていた通りになっていなくても、頂上に近づいていて良い仕上がりならオッケーを出す柔らかさも必要だと思っています。


★質問8.自分の中でいいアイディアが出ますが、なかなか言い出せません。「言い出す」という1歩を踏み出すためにはどうすれば良いでしょうか?また、どうすればわかりやすいように伝えることができるでしょうか?

●平石先生
言出せない時は、紙に書いて黙って見せてみる。書いてあると話すだけよりわかりやすくなる。わかりにくいアイデアは良いアイデアではないので、伝える前にもっと良くなるように考える。あるいは違うアイデアを考える。

●中村先生
めっちゃわかります。僕も人に言うのが苦手です。最近は自分のアイデアが笑われたって、死ぬわけじゃないし、と思ってパパっと伝えるようにします。意外と大丈夫なことが多いです。


★質問9.ストーリーを考えるときは、はじめ、なか、おわりのどこから考えるとうまくいでしょうか?

●平石先生
うまくいく決まりはないので、色々な順番でいっぱい考えてみれば良いと思います。

●中村先生
僕は「おわり」かもしれないです。なぜなら見てくれる人がどう感じるのかを大切にしているからです。でも短いCMを考える時は「はじめ」が大事な時もあるし、、、。  たぶん使い分けをしています。


★質問10.先生方が1番大切にしている仕事をする中での心がまえについて教えて下さい。

●平石先生
最後まであきらめない

●中村先生
僕は「夢中になれること」だけをやる、としています。仕事を進めているとぶあつい壁に当たることがよくあります。まあまあ、つらいです。でも夢中になれるくらい好きだったら壁を壊して進む元気が長続きします。子どものころ、好きなレゴ遊びは何時間でも続けていられた、そんな気持ちに近いです。そんな風に、遊びと仕事が一緒になっちゃっているような気持ちを保ちたいです。


平石先生、中村先生、お忙しい中お答えいただきましてありがとうございました!