10月10日に開催された「第3回講義」は、トリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社・代表の中西敦士先生をお招きし、「10分後にうんこが出ます~排泄予知デバイス開発物語~」のテーマで講義を実施しました。(今回も、配信会場で聴講していただける親子を、抽選で5組10名招待をしました。)

講義の前には、毎回実施している「HR(ホームルーム)」から開始!
日ごろから社会で起きている事柄を自然に収集することで、社会の一員として生活をしてもらうために第1期から実施しています。このHRも子ども大学水戸の学びの一環ですから、是非一緒に学んでほしいと考えております。

さて、今回の講師である中西先生は、昨年の第3回講義で登壇を頂く予定でしたが、大型の台風が上陸した為、史上初の中止となりました。今年はリベンジ戦として登壇を頂くことになりましたが、今回もまた台風が接近!特殊能力をお持ちのようです。

そんな話をしながら、講義が開始となったのですが、念願の講義の最初は、「97%」この数字はなんでしょう?のクイズから開始です。皆さんはお分かりになりますでしょうか?

答えは「大人でおむつをしたくない人の割合」で、60歳以上の78%が頻尿などの悩みを抱えているというデータが提示されました。そして、悩みがあるということは、その悩みを解消することで社会貢献ができ、そのミッションの会社として、トリプル・ダブリュー・ジャパンという会社を立ち上げたとのことでした。

現在、中西先生の会社が開発した「D Free」という製品があり、介護現場で大きく貢献しているそうです。この製品は、センサーが搭載されたパッチを下腹部に装着することによって、排泄物を出すサインを読み取り、自分でトイレに行くことができる画期的なガジェットで、世界中の排泄物で悩んでいる人たちの悩み解決の手助けとなっているとのこと。すばらしいです!中西先生はこれからも、他の臓器への製品の開発やAIを使った事業など、様々なことに挑戦していくそうです。

その後、世界と日本についての比較を、様々なデータを使ってグローバルの目線で分析をしていきました。国内にいると見えないことが多いですが、中西先生の話で見えてきたことは「これまでの日本の常識は世界に通用しない!」ということです。

一例をあげると、日本はアメリカに比べてベンチャー企業が少なく、時価総額の企業ランクで今とバブル期の日本と比較すると一目瞭然!
相対的地位が低下し、ベスト30に入っている企業がトヨタ自動車の1社だけで、その総額も1位の米国・アップルの「10分の1」であることが分かり、国力も右肩下がりになっていることがデータからも読み取れたと思います。今後は日本は人口縮小が続くわけですから、海外を視野に入れた学びへと転換していかなければなりませんね!小中学生が、あと10年たてば大学を卒業する年齢になるわけですから、「これからの日本を変えていくのは皆さんです。」と力強いメッセージをいただきました。

そして、講義は先生の起業・製品の開発へと移っていきました。
ユニークな製品を作ることになる起業のきっかけは、アメリカでのある体験だったようです。とてもユニークな話なのですが、ここではその内容は省略しておきましょう・・・。気になる方は中西先生が出版された本を購入して読まれてくださいね!

そして最後に中西先生から、4つのアドバイスをしていただきました。
 ★1.「My Ball」➡全てのことを自分事として捉え、考える!
 ★2.これまでの常識は通用しない!
 ★3.常識は、高速で変化している!
 ★4.「皆と同じで安心」ではない!

とても重要なメッセージで、実社会において必要なマインンドセットだと思います。学生よりも、保護者の方の方が心に入ってくる言葉ではないでしょうか?だからこそ、子ども達にもその考えの重要性・必要性を伝えていく必要があると思います。そして、願わくば、今回の講義を聞いた学生が、自ら会社を作り、日本を代表する企業として世界へ羽ばたいていってほしいと考えています!中西先生、ありがとうございました。

第4回講義は、11月14日。東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターの田中香津生先生による「左右がひっくり返った鏡の中では宇宙はどうなる?~対称性と宇宙創成の謎~」です。年内最後の講義になりますので、お楽しみに♪