第2回講義は、株式会社TBSテレビアナウンサーの蓮見孝之先生をお招きし、アナウンサーの仕事についてお話いただきました。ちょうど、TBSラジオ「蓮見孝之 まとめて! 土曜日」の放送後に水戸にお越しいただいたので、喉も温まった万全の状態で講義が始まりました(笑)!

講義は、蓮見先生がどのようにしてアナウンサーの道に進んだのか?の話からスタート!
蓮見先生は小さいころからサッカーが好きで小学校から高校までサッカーを続けていましたが、大学以降続けられるのかと考えた結果、続けることはできないと結論付けたようです。そこで蓮見先生はサッカー以外の目標について模索していたところ、当時好きだったテレビの世界を覗いてみることにしたとのこと。実際にテレビ番組のオーディションに応募しTBSテレビの番組に出演したそうです。

しかし、蓮見先生は様々なことを考えた上でこのアナウンサーという道を選びました。例えば、大学を卒業したら何になりたいのか?なりたいものになるにはどのようなことをすればいいのか?そもそもなりたいものは何か?などを考えました。そして、大人になっても続けたいこと、出来そうなものはなにがあるかなどを考えた結果がアナウンサーだったようです。

アナウンサーは報道、リポーター、ナレーターなど多岐にわたる仕事をします。また、最近ではYouTubeの配信、ツイッター、インスタグラムなども行っていますし、アナウンサーの仕事の中で、著名人へのインタビューをする機会もあります。蓮見先生にとって、そんな「非現実が現実になる」体験ができることが仕事の魅力だと仰っておりました。

また、蓮見先生はアナウンサーの仕事の例として、喜入アナウンサーのスポーツ実況を紹介してくださいました。スポーツ実況者は実況の前に非常に念入りに準備をします。午前中に全チームの選手のデータを一時間ぐらいかけてパソコンやノートに写し、また、スポーツ紙を全部購入することで最新情報を確認し、解読者のSNSのチェックも行なっているそうです。そのため、そんなに入念に準備しても、事前に取材したことを放送中に使うことはとても少ないのです。100の準備をして、「10〜20」出せれば良い方だと言われているようで、いかにアナウンサーの世界が厳しいのかよく分かります。素晴らしいですね!

他にも、報道リポーターについての学びも!
報道リポーターは記者のように事件、事故や災害などのさまざまな現場に足を運んで現場にいるからこそ伝えられるものを届けることが仕事です。現場の声、匂い、温度、緊張感、状況など言葉を使って現場の状況を伝えます。また、事故や事件、災害はいつ、どこで起きるのかわかりません、そのため予定外の出張、連泊があるので体調管理は特に大切なようです。

前半講義の締めくくりに、過去と現在の情報収集の方法について教えてくださいました。電車の中の写真を見比べたところ、その違いは一目瞭然でした。一昔前の通勤電車内は新聞を広げた男性で溢れかえっていました。その一方で現在はスマホを持った男女が座っていました。このように時代の変遷に伴って情報はその時の常識や情報は変わっていきます。新聞紙からスマホに変わったように、情報の受け取り方も変わっていくことを痛感する写真でした。

情報の伝え方は時が経つにつれ変わってきます。20~30年前は電車の中でほとんどの人が新聞紙を広げていました。しかし、今ではネット記事やインスタグラム、ツイッターなどで情報を得ている人も増えました。すると新聞紙からスマホに変わったように情報の受け取り方が変わります。そのためインスタグラム、YouTubeのように情報の伝え方も変わるとのこと。このように情報の伝え方は時代に沿って変わっていくのですね~。

後半の講義では、学生が蓮見先生と一緒に「伝える・届ける」のトレーニングを行いました。先生は「伝える・届ける」においては、第一声が大事であるとおっしゃっていました。第一声とは、最初の一文字や一つの言葉などのことです。このことを意識するために、例として驚きや嬉しさ、悔しさなど様々な感情の「お」について発声練習をしました。この練習を通して、、それぞれの感情で表現の仕方が変わることに気づきました。また、声を出さずに自分の感情を伝える方法についても、先生が実際にお手本を見せて紹介していただきました。その様子に会場も盛り上がりを見せていました。このとき先生がなさっていた目線は、テレビを見ている人を感情移入させるのに大切です。

他にも、学生がリポーターになりきり、事故現場のリポートを行ったり、写真に写っているものを描写する練習の仕方も学びました。リポーターは状況に応じて、喋り方を工夫しますし、リポーターは現場の臨場感を話す雰囲気で変えており、この喋り方を意識することで、聞き手への伝わり方に変化が起きることも学習。それぞれの練習を行っていくうえで、描写は見えたものをそのまま言えば良いということ、現場だけで感じられることを伝える大切さについて教えていただきました。また、ここでの描写力や実況力は報道の世界だけでなく、私たちの日常生活でも役立つことを学べたと思います。

最後に、伝えることの難しさについて、東京オリンピック開催の是非を例に、学生全体で考えてみました。コロナ禍でのオリンピック開催には賛否両論があったことは記憶に新しいのではないでしょうか。どちらの意見が正しいかを判断するのは難しいですが、これらの情報についてどの立場で発信するかを決めるのが、テレビ局の難しいところだそうです。社会に出ると、教科書のように答えが1つしかないわけではないので、どちらをとっても批判をされるので難しいですね。

言葉や表現は、時代とともに変化しており、また私たちは様々な情報を発信または受信することができるようになりました。だからこそ「自分の考えが絶対正しいと思わないこと」と「情報を発信する時も受信する時も何度も確認すること」が大切であることを蓮見先生は強調して説明してくれました。とても重要なメッセージですね!

蓮見先生、ありがとうございました!蓮見先生のようなアナウンサーになりたい!という学生も多々いますので、数年後に後輩になっていることを楽しみにしていてください。

次回の講義は、「夏の特別講座」です!
8月9日(火)に、国立科学博物館より生中継を行います。田島木綿子先生による「ナイトミュージアム2022 オンラインで夜の科博を楽しもう!クジラについて知る」
です。※ナイトミュージアムの為、時間帯がいつもとは異なります。18時45分~20時30分です!

講義の際は「海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること」(山と溪谷社)をぜひご用意ください!お楽しみに♪

最後の最後です。
ニュースを見るようにしてくださいね!社会の中で生きていく以上、情報を集めることが自然にできるようになってもらいたいと考えております。今回は、子ども大学水戸の川上が担当でニュース紹介をしました。第3回講義でもニュースの学びを行いますので、日ごろからの情報キャッチをしてください!