10月11日(土)第1回講義およびシンポジウムに際し、
学生の皆さんから100件以上いただいていた質問に対し、
先生方がひとつひとつ丁寧にご回答をしてくださいました。

次回講義の際、学生の皆さんにはそれぞれの回答をお渡ししますが、
ここでは、一部ご紹介をしていきます。

※内容については生徒および先生方の原文をそのまま掲載しています。
※11月11日現在、今後まだ内容を追加する予定です。
※11月15日、畠山先生からのご回答を追加しました。

————————————————————————————–

【的川先生への質問とご回答】

Q.うちゅうはなぜむげんい広いのですか。
➡A.
宇宙は137億~138億年くらい前に小さく誕生したのですが、
それ以来ずっと膨張を続けています。
だから無限に大きいわけではないけれど、ものすごく大きいことは確かですね。
一番外側は光の速さで私たちから遠ざかっていると考えられており、
それより向こうは私たちが決して覗くことができない世界のようです。

Q.星はばく発などをするのですか?
➡A.
太陽ぐらいの大きさの星は爆発しませんが、
それよりうんと大きい星は、燃えるものがなくなると超新星爆発という大爆発を起こします。
その後に残された芯の部分が、ブラックホールや中性子ばかりの星になると考えられています。

Q.宇宙の事でもそうですけど、夢をかなえるためには、どのような心がけをすればよいのですか?
また、先生が宇宙の事を調べようとしたきっかけを教えてください。
➡A.
大好きなことを早く見つけて、それをひたすらめざすといいですね。
私は宇宙というよりもロケットのことが好きだったのだと思います。

Q.げんざいかくにんされているわくせいで、地球から一番遠いわくせいは何ですか?
できればきょりもおしえてください。
➡A.
惑星と定義されている天体では、海王星が一番遠いです。
太陽からの距離が太陽‐地球間の30倍です。
つまり45億キロメートル。惑星ではない天体で一番遠いのは、
今年の3月に発見された「2012VP113」。
太陽系の一番外側に広がる「オールトの雲」に位置しており、
太陽に最接近する距離は80天文単位
(1天文単位は地球と太陽の平均距離=約1億5000万km)。
これまで最遠とされた「セドナ」は76天文単位。
近年、惑星から準惑星に降格した冥王星(約30天文単位)よりはるかに遠い。
直径は450kmと推測され、氷でできているなら準惑星に分類され得るということです。

Q.うちゅうにいったことがない国はありますか?
➡A.
自分の国で開発したロケットで宇宙の軌道へ衛星や探査機を運んだことのある国は
そんなに多くありません。
世界のほとんどの国は、まだ小さなロケットの開発すら始めてはいません。

Q.うちゅう飛行士になるためにどういう日々の努力に心がけるようにしたらよいのですか?
➡A.
君は小学生だから、今から特に心がけることはありません。
ただ、しっかり遊んで明るい子になること。
誰とでもしっかりと誠実に交際したり議論したりできる人になれるといいね。
それから、丈夫な体を作ってください。

Q.地球以外に生物がいてその生物と会話ができたらぼう易をすることはできますか。
➡A.
今はどこにも生物は見つかっていないけど、発見されたら貿易もできるでしょうね。
でも言葉なんかが難しいでしょうね。

Q.重力はどうやってできるのですか。
➡A.
世界中でいま研究されているところです。君も挑戦してください。

Q.ちきゅうは、丸いのになぜたてものとかは丸くないんですか?
➡A.
地球みたいに大きいものは重力があらゆる方向に同じようにはたらいて
丸くなってしまうんですね。
でもそれは自然にできたものです。
人間の作った家などは、使いやすいかたちに作ったんですね。
だから必要とあれば、ガスタンクのように丸く作るものもありますね。

Q.この仕事につこうと思った理由はなんですか?
➡A.
私はロケットで宇宙を分け入っていくようなことを想像するのが好きで、
宇宙進出は人間の未来にとって大切だと思ったからです。

【内田先生への質問とご回答】

Q.中1のウソは嘘ですか?偽りがなくてもですか?
➡A.
熱心に受講してくださりありがとうございました。
中1でも記憶違いや勘違いのウソもたくさんあります。
客観的にみたら「偽り」ですが、他人を陥れたり、
他人の思いの裏をかくような悪意の「嘘」ではありません。
特に人がパニックになっているときには、
講義の中で、フォンリッツ博士の実験を例にあげましたが、
事件を目撃したときにパニックになってしまい、真偽の判断ができなくなり、
思い違いがたくさん起こります。
人をだまそうとしているわけではないのに、
記憶の歪みから現実とは異なる思い違いがたくさん起こってしまいます。
そこで、パニックになったときには、一呼吸入れて、落ち着いて、
別の角度から考えてみるとよいでしょう。
心理学では「メタ認知」と呼んでいますが、自分の判断が間違えていないか、
振り返って吟味することが不可欠です。
メタ認知の力は小学校4年生くらいから発達しますので、
自分の考えや判断について、根拠はあるか、真実か、
他の視点からじっくり眺めてみてから、行動を起こすようにしてみてください。

Q.中学生くらいの子の「うそ」は悪意のある「うそ」か見ぬく方法はありますか?
➡A.
講義を熱心に聴いてくださりありがとうございました。
中学生くらいの子なら悪意のある「うそ」を見抜くことができます。
息子になりすました男性がお年寄りに電話をかけて「
今会社に行く途中で会社のお金300万円を電車の網棚に忘れて困っている。
会社に届けないとクビになってしまう。助けて!300万円振り込んで!」などと
言葉巧みにお金を振り込ませるという事件が後を絶ちませんね。
人生経験のあるお年寄りがこんな悪意のある「うそ」に簡単にだまされてしまうのは
なぜなのでしょうか?
それは息子がたいへんなことになった!とパニックになってしまい
冷静な判断ができなくなってしまうのです。
冷静であれば、「電話の声が息子と違う」「まず会社に知らせ、駅にも問い合わせるはず」とか
考えるはずですが、
愛する息子がたいへんな状況に陥っているから、声がおかしいのだろう、
ともかく早く300万円振り込まなくちゃと
預金通帳をもって銀行のATMに急ぎ、振り込むという実行行為に及んでしまうのです。
まず行動を起こす前に、問題を別の角度から確かめてみることが肝心です。
小学校高学年から中学生にかけて考える力や判断する力がグーンと成長します。
ですからすぐに行動を起こす前に、ちょっと立ち止まって考えてみる
(心理学では「メタ認知」とよびます)ことが必要です。
そうすれば、悪意のある「うそ」を見抜くことができるでしょう。

【渡辺先生への質問とご回答】

Q.地球が住めなくなっても住めそうな星はあるのか?
➡A.
結論を言いますと、太陽系の中には、私たちが住めるような環境の星(惑星)はありません。
太陽系から遠く離れた他の星(太陽、恒星)の周りには人が住めるような環境の惑星があるかもしれませんが、
まだ発見されていません。現在、人工衛星などで探している最中です。

(※非常に長文でいただきましたので、一部抜粋とさせていただきます。)

Q.この仕事につこうと思った理由はなんですか?
➡A.
一言で言えば、とにかく宇宙が好きだったということだと思います。
でも残念ながら技術系に進むことができませんでした。
それでも、宇宙開発の内容を知れば知るほど、素晴らしいと思い、どんどんのめり込むような状態でした。
そして、私がのめり込んでいるこんな素晴らしい宇宙や宇宙への人類の活動のことを、
他の人にもわかってもらいたい…と思うようになり、
宇宙開発事業団(現JAXA)では広報セクションを熱望しつづけ、
そして幸いなことに定年までの30数年間、広報セクションで仕事をさせて頂きました。

【川上先生への質問とご回答】

Q.お茶の香りは何しゅるいあるんですか。
➡A.
お茶の種類は数えきれないほどあります。大きく分類すると4つです。
1.葉をつんですぐに蒸したりいったりしてお茶のこうその働きを止めてしまう緑茶、
2.お茶のこうそ働かせて半分くらいはっこうさせたウーロン茶(青茶)、
3.お茶のこうそを働かせてしっかりはっこうさせた紅茶、
4.お茶の葉っぱにびせいぶつ(カビやにゅうさんきん)を使って発酵させた黒茶
(プーアル茶はこのなかま)です。
中国に行くと、白茶というのもあります。
先生は11月に中国の学会にまねかれて、いろいろなお茶の香りの話をしますので、
子ども大学でもお話をしましょう。

Q.てん加物のこともしっていますか?ものすごくきょうみがあります。
➡A.
てん加物にきょうみがあるんだね。
てん加物は、食品を加工するときに使うもので、国が安全を保しょうしているものです。
ただ、加工食品ばかり食べていると、とりすぎになる可能性があります。
自分で料理をするときにも調味料などの形で少しは使っています。
何でもとりすぎはよくありませんので、
加工食品を買うときにはうしろの表示をみて点検しましょう。

【畠山先生への質問とご回答】

Q.1回ぜつめつしたけれど、また見られるようになった生き物っているんですか?
➡A.
いません。一度ぜつめつしてしまった生き物は、現在の科学技術の知恵を絞っても、
その生き物をよみがえらせることはできません。
ですから種のぜつめつを防ぐということは大事なことです。

Q.ピラミッドが崩れてしまったらどうなるんですか?
➡A.人間ももしかしたら絶滅してしまうかもしれません。
あるいは壊れた生態系ピラミッドのバランスがとれるよう人口が極端に減ってしまうかもしれません。
人間を含めた地球上の生き物は生態系ピラミッドを構成し、それぞれ支え合い、
つながって生きています(食物連鎖や昆虫による植物の受粉など)。
現在生態系ピラミッドの底辺を構成する森林や里山、河川、
海などの環境が人間の活動で悪化したことにより、
そこに暮らしていた生き物が加速度的に絶滅していっています。
積石が抜けた空洞だらけのピラミッドといった感じです。
空洞がひろがると(生態系ピラミッドを構成する種が少なくなると)、
ピラミッドは崩れ去り、ピラミッドの頂点近くにいる人間も崩れ去ることになります。
人間という積石が崩れ去らないようにするには、
ピラミッドの空洞が広がるのを防ぐ(種の絶滅を防ぐ、そのためには人間の活動を見直す)か、
人間という積石の重さを減らす(人口を減らす)必要があります。